してやったりのTBS。だが、その構成・演出はいかがなものか・・・
正月特番の代表格である「かくし芸」の視聴率がついに10%を切るという事態に、おそらく来年の存在意義すら危ぶまれているのではないだろうか。昭和のにおいが未だに残っている数少ない番組ともいえ、逆に希少価値の高いという意味で存続してもいいのかもしれないとまで思えてくる・・・(「仮装大賞」も同様)
もっともこの「かくし芸」はナベプロ全盛時代のおこぼれで残っているようなもの。吉本、ジャニーズがこれだけ幅をきかせてくれば、年老いたマチャアキなど足元にも及ばないか?
そんな時代遅れなバラエティーを尻目に新たな毎年恒例の特番にさせたがっているTBSの「ドリームマッチ09’」が放送された。
結論から先に言ってしまえば、お笑い好きおよびバラエティ業界関係者にはたまらないダウンタウン・松本人志とウッチャンナンチャン・内村光良によるガチンコのネタをフィルムに納めるという離れ業を成し遂げたしてやったり的TBSであったわけだ。
考えてもみれば尋常ではないであろう「リンカーン」の制作費(演者のギャラ含め)に鞭打って、決して良いとはいえない視聴率であったとしても存続させた意味、久方ぶりのウンナン司会の番組をゴールデンにもってきた意味、これら二つの意味はこの「ドリームマッチ」においての二人の共演の布石だったのかもしれない。
無論、この二人のネタは一時代を築き上げてきた集大成が詰め込まれており、その時代を共に歩んできたお笑い好きの視聴者にとって贅沢な時間であっただろう。番組最後に握手を交わす二人の姿に改めてお笑いとは素晴らしいものだと心打たれた。
さて、番組内においても“伝説(レジェンド)”とまで言われていた二人に文句のつけようはないのだが、問題は今回の「ドリームマッチ」事態がどうにも腑に落ちなかった。
まずはメンバー構成である。
内村参戦ということによるギャラの調整があったにしても、ロンブー、ココリコ、ガレッジセールが外れ、ディフェンディングチャンピオンであった出川哲朗まで外す始末。
その変わりというわけでもないがニューカマーという名目ではいったメンバーがまた酷かった。TKO、バナナマン、バッファロー吾郎はなにかと物言いがついた感のあるTBS主催の「キングオブコント」の副賞的出演にみえ、世界のナベアツは「あらびき団」枠、次長課長は「Goro’s Bar」及び「イロモネア」枠にみえなくもない。ブラックマヨネーズにおいては理由が見つからないが・・・(おそらくM‐1枠か人数合わせ)。
こうしてみるとTBS貢献者が名を連ねているのがわかる。
確かに5回目ともなれば同一メンバーによる頭打ちになる可能性は否定できない。しかしながら第1回目のメンバーよりも明らかにクオリティが下がっているのは間違いない。しかも、誰もが認める実力者達というわけでもなく、TBSにつながりのあるメンバーをチョイスしたところにもTBSの浅はかな部分が出てしまった。クオリティが下がってもなおこの番組を続けていく意味がそこにはないような気もするのだが、それこそ「かくし芸」のように・・・
松本・内村の共演があっただけになおさらこのメンバーチョイスが残念である。
そして、もうひとつ気になったのは番組上の演出だ。
松本・内村コンビ誕生が確信犯であったということは百歩譲ってアリだったとしても、3時間のネタ作りというくくりにおいてドキュメント調にみせていたのだが、スタッフロールをみると大物作家の名前がズラリと並んでいたのが脱力させた。
つまり、番組の演出上は3時間という短い時間の中で芸人達がガチンコでネタを作るという切羽詰った感じをだしていたのだが、その3時間の中に作家人の手が盛り込まれているというところが露呈してしまっているのである。
よくよく考えると、松本・内村コンビのネタは二人の意向・方向性は尊重されていたとしても、細かい部分においては明らかに作家の手が加えられているものであったと言えなくもない。
松本と内村が組んだ時点で失敗は許されないという気持ちはわかるのだが、ドキュメント調にしてみせたいのであれば、作家の影が見えるような見せ方ではいけない。逆に作家の手が加えられているというのであれば、ドキュメント調にするべきではなかったのだ。
なぜなら、作家の影が見えてしまった時点で松本・内村コンビは必然であったといういわゆる“ヤラせ”に近い演出があったのではないかという疑惑が生まれてくる。そうなってしまった場合、この番組自体の説得力が失われてしまうのだ。フィーリングカップル方式も作られたものとなり、ネタ順も決められていたものとなり、ましてやベストカップル賞が松本・内村コンビに最初から決められていたものだったという事態にもなってきてしまう。
たとえ、上記の演出があったとしてもそれを視聴者に悟られるようでは、製作側としては失格である。また、上記の演出がなかったとしても、疑惑が生まれてくるような番組作りをしてはいけないのだ。
そういうキメ細かい番組作りというものができないのがTBSであり、これまでも何度もその浅はかな番組作りが問題になっているのだと思う。
松本・内村の20年ぶりの共演という大仕事をやってのけたのはおおいにけっこう。だが、番組構成がその“伝説(レジェンド)”に泥を塗った感があるのは誠に残念である。
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